Help Japan Recover Foundation, A Non-profit Organization (NPO) (ヘルプ・ジャパン・リカバー・ファンデーション)設立 | .:: BLOG
東日本大震災が起きた3月11日の翌朝、私は次の作品の打ち合わせへ行くため、自宅からロサンゼルスの中心部へと車を走らせていました。胸の中は、前の晩から共に連絡がとれなくなった両親のことで、いっぱいでした。焦りと不安で一睡もできず、つながらなくなった電話の回線をそれでも何度も何度もかけては、憤る気持ちとともに朝を迎えていました。
それから3日間の間、両親との連絡がいっさい途絶え、どうにかなってしまいそうになる自分がいました。今も、その時のことを思い出すと、こわくて涙があふれてきます。
遠く離れて暮らしている私は、すぐに駆けつけることもできず、飛行機を押さえようにも、取れるのは早くて一週間後、一斉にカリフォルニアに住む日本人たちが、肉親に会うために、飛行機のチケットを押さえたため、すぐに空席を取ることもできませんでした。
それから3日後、ようやく、まずは母と連絡がとれ、その後父の無事を確認することができました。父は、地盤の沈下により家が相当崩れてしまったけれど、身体が無事だったことを確認し、私は安堵しました。あの日のことは、一生忘れることができません。
一睡もしていなかった数日間の疲労が一気に押し寄せ、私は安堵とともに、同時に、水が止まってしまい、避難所となっている高校のプールの水を運び、トイレへ使い、また飲み水は、避難所の列を5時間待った後、たった3リットルの水しかもらえないという現状を知りました。ガソリンスタンドは締まり、ガソリンがないため、車は使えません。重い水を両手に抱え、遠くの避難所から、数日置きに並んで水を運ばなければならない父の姿を想像すれば、胸が苦しくて、私に今できることは何かと考えました。
そんな中、原発の問題が勃発しました。両親を、どうにかして避難させるため、私は無我夢中で動いていました。押さえた私の成田行きの飛行機のチケットを急遽成田発へ変更し、両親を呼び寄せようと必死でした。
このような大惨事が日本に起ろうとは、そして自分の両親の身にふりかかるとは、想像さえしたことがありませんでした。私の胸の中は悲しみと不甲斐無さでいっぱいでした。
そんなとき、ツイッターで、たしか、「涙がとまらない」と呟いたような気がします。そしてそれに対しファンの方が、「あなたは有名人なんだから、そんなことを言ってないで、できることをしてください。」という、お叱りのツイートをいただきました。
その後一時間も立たないうちに、方々へ電話をかけている自分がいました。そうだ、泣いている場合じゃない。私にできることがあるかもしれない、今、悲しい思いをしているひとたちに、最愛の人を亡くしてしまった方たちに、できることをしなければ、ただただそう思い、夢中で行動していました。そのときの私はなにか取り憑かれたようだったと、後で友人に指摘されてしまいました。「もしもうまくいかなかったら..」なんて考える余裕もありませんでした。私の決意は固いものでした。
その三日後、ここカリフォルニアに、東日本大震災被災者支援のファンデーションを法的に設立しました。
その後、現在にいたるまで、様々な方々のお力をお借りし、オフィシャルのサイトも立ち上げるに至りました。ヘルプ・ジャパン・リカバー・ファンデーションといいます。
www.helpjapanrecover.com
アメリカ、また世界中へ向けて、今この瞬間に被災地で起っている事実を、アメリカはもとより、世界中のひとたちに知ってもらうため、英語のページにしました。ぜひ、どうか皆さんも、ご覧になってください。少人数のボランティのみで運営しているので、至らないことも出てくるかもしれませんが、ご指摘いただき、またどんなことでも、被災地での情報を教えていただけたなら、大変助かります。アメリカでは、震災のニュースといえば今は原発の問題が主になってしまっていて、それ以外の、被災地で起っているいろいろな問題は、ニュースとして報道されていません。
私たちがファンデーションとして訴えていかなければならないことは、実情を英語でアメリカ国内へ、また世界へ発信し、ひとりでも多くのひとたちに状況を知ってもらい、そして支援してもらうことです。
これまで一緒に仕事してきた、ハリウッドの俳優やエージェントの友人たちにも支援を募り、「ヒーローズ」でも共演し友人でもあるジェイムス・カイソン・リーや「リーパー(REAPER)」で共演したタイラー・ラビーン、そして、FOX の「ドラゴンボール実写版」映画で監督をしたジム(ジェイムス・ウォング)などはいち早く、被災地の皆さんへの応援メッセージを送ってくれています。(ファンデーションのオフィシャルサイトで見ることができます。)これからも被災地の方達へ向けて支援の輪はどんどん広がっていくと思います。広げて行かなければと思っています。
どうか皆さん、英語のサイトではありますが、よろしくお願いいたします。ツイッターとフェイスブックのページは以下になります。
世界中のできるだけ多くの方に知っていただき、少しでも多くの善意が早く集まるよう、ご協力いただけますよう、お願い申し上げます。
田村英里子
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