旧・何でも鑑賞日誌。
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旧・何でも鑑賞日誌。
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『SiCKO(Michael Moore)』
ジャンル:社会 2007/07/24 07:33
「ボーリングフォーコロンバイン」や「華氏911」でアメリカの社会問題にメスを入れたマイケル・ムーアが今度はアメリカの医療制度にメスを入れる。アメリカの個人保険型の制度の問題点を浮き彫りにし、どれほど悪どい手口を使って大手保険会社が暴利を貪っているかを解説。その他、カナダ、イギリス、フランス、キューバなど、国民保険制度を取っている国々と国民の健康度の違いの比較が面白い。
出演 Michael Moore
この映画にいくら出せますか? 1000円~~2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
映画の中で明らかにされるアメリカの保険制度の欠点と、保険会社の対応には多いに驚かされる。アメリカでは、保険が買えない者=貧者は、先進国の医療にかかれば完治する病気で死んで行く、というのは既に有名な事実。だが、映画では、さらに、良い仕事につき、個人保険にかかっていながらも、いざ病気になって治療を受けようとすると、あらゆる治療を「不要」「実験的」と決めつけられ、保険金が降りず、治療が受けられない、と言う悲劇がいくつも紹介される。
各国の保険制度の比較では、ムーアが、カナダの国民保険制度を手放しに褒めているのが少々気になる。カナダも歯科や薬は国民保険適応でなく、このための個人保険を買えない人の中には、薬が買えず、結局症状の悪化を繰り返したりすること、また、カナダがアメリカにならって医療費を個人負担に使用としている背景には様々な問題が積み重なっているのだが、そういう問題点は無視しているため、フランスやイギリスの国民保険制度の良さをこれでもか!と、見せつけられても、全ては鵜呑みにできないかも。
それも、これも、全部ひっくるめて、やはり国民保険制度って、良いな、と思う。自分が健康なのに、こんなに税金を払って・・・と言う思いは誰しも持つかもしれないが、それでも、アメリカの現状を見ると、もし、病気になった時に、病気のことではなくて、お金の心配をしなければならないなんて、堪え難い苦難だろう。安心を保険で買うと言っても、その保険会社が何かにつけて支払いを拒否する現状では、カナダのERの待ち時間にそこまで強く文句が言えない気分、である。
映画が終了しても、クレジットの途中、途中に、ムーアならではのジョークが入れられているのが面白かった。例えば、クレジットの合間に「国民保険をゲットするためにカナダ人と結婚したいアメリカ人はこちらをご覧下さい」と、ウェブサイトの宣伝がでたりする。映画全体に、ムーアのユーモアのセンスが出ていて、良かった。
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『ホテル ルワンダ(Terry Gordon)』
ジャンル:人間 2005/04/02 07:07
ストーリー 90年代前半に起こったフツ族のツチ族大虐殺の中、自らもツチ族の妻を持ち、多くのツチ族を助けたホテル支配人の実話を基にした映画
出演 Don Cheadle Nick Norty Sphie Okonedo
この映画にいくら出せますか? 500円~~1000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
この映画を観たいと思ったきっかけは、クラスメイトのバド(仮名)が、ルワンダからの難民で、いつも明るく、決して祖国のことを語ろうとしない彼女が、どのような背景でカナダにやってきたのか、興味があったから。映画を観て、いつも明るく前向きな彼女が、あんな悲惨なところから逃れていたとは、未だに信じられない。
物語自体はシンドラーのリスト、ルワンダ版といったところ。主人公のポールを演じたドン・シャドルは、いつも情けない役ばかりをやっているイメージがあったので、このヒーロー的役どころで、こんなのもこなせるのかと、感心。
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『サイドウェイズ(アレクサンダー・ペイン)』
ジャンル:ラブストーリー 2005/03/04 12:36
来週末に結婚を控えた友人と最後の独身旅行(バチェラーパーティならぬ、バチェラー旅行)に出る作家希望の冴えない中年教師のお話。
出演 ポール・ジアマッティ トーマス・へイデン・チャーチ バージニア・マドセン
この映画にいくら出せますか? 1000円~~1500円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
「ワイン」がサブテーマのように映画全体にはめ込まれていて、カリフォルニアのワイナリーめぐりやらワインについての薀蓄なども楽しめたし、全般に大変面白いコメディで、今回は大丈夫、と安心しきって観ていたのだが、最後の15分で目がナイアガラの滝状態。中年男性の悲哀を理解して、感情移入できてしまう自分が悲しい。
カナダ人女優のサンドラ・オーがとても良い味を出していて、アカデミー賞助演女優賞だか何かに輝いたのも文句なしにうなづける。
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『ミリオンダラーベイビー(クリント・イーストウッド)』
ジャンル:ヒューマン 2005/03/04 12:29
プロボクサーを夢見て、ウェイトレスをしながらトレーニングに励む32歳のマギーと、家族との問題を抱えてた年老いたトレーナーの交流を描いた物語。
出演 クリント・イーストウッド ヒラリー・スワンク モーガン・フリーマン
この映画にいくら出せますか? 500円~~1000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆
泣きましたよ、お約束どおり。モーガン・フリーマン演じる元ボクサー・トレーニングジム用務員は素晴らしい味が出ていたし、ヒラリー・スワンクのマギーもとても良かった(この人、「ボーイ・ドント・クライ」と言い、悲惨な役を上手にこなす)。
ただ、話が無理やり過ぎて、せっかくマギーの不幸な成り行きであふれ出る涙が、最後の強引な超現実離れした終わり方で、驚きのあまり涙が引っ込んだどころか、声を出して笑ってしまった。ストレス解消に映画を見たい人には絶対お勧めできない作品。
この強引な終末と、終わり方の後味の悪さと言い、アカデミー賞に輝いたことが信じられない。
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